Open post

専技の実務経験として認められないケース

実務経験10年で専任技術者(専技)の要件を証明したいと考える方、多いと思います。
しかし、長年の経験も認めてもらえないケースがあります。

今回は消極的なテーマになってしまいますが、実務経験として認められないケースを3つお伝えしていきます。実際の期間(10年)を満たすかも重要ですが、実務経験としてカウントできるかも検討する必要がありますので、ぜひご確認ください。

 

実務経験として認められないケース

愛知県で建設業許可を取得する場合(知事許可)、実務経験として認められないケースは次の3つです。(愛知県以外の場合は各行政庁に確認してください。)

 

ケース1:実務経験を証明できない期間

勤務していた期間の実務経験を証明する場合で、元雇用主が倒産などで証明することができない場合は実務経験を証明することが難しいです。証明できる人(法人)が存在しないからです。

元雇用主から証明を受ける場合であっても、現在建設業許可を取得している会社(事業主)が証明をしてもらえる場合は、「第三者証明」という形で証明できるので、実務経験として認められるかもしれません。ただし、第三者証明が認められているのは正当な理由がある場合に限られます。

例えば、下請会社で勤務していた期間の証明を、元請に証明してもらう、ということが可能です。

自身が事業主であったときの経験は、「元事業主」という形で証明できますので、ご安心ください。(もちろん、自身が現在代表の場合も自分で証明できます)

 

ケース2:資格がないとできない工事を無資格で従事した期間

電気工事や、消防施設工事には、資格がないとできない工事があります。もし、無資格で該当の工事に従事していた場合は、当然この期間は実務経験に含めることはできません。

また、資格を持っていた場合でも実務経験が必要な場合もありますが、この場合の実務経験も当然ながら資格を取得した後からの経験期間になります

(例)電気工事で、第二種電気工事士を持っている場合

  →専任技術者の要件を満たすためには、免状が交付されてから3年の実務経験が必要です。

 

ケース3:登録が必要な工事を未登録で行った期間

建設業のなかには、建設業許可が必要ない規模の工事であっても、電気工事、解体工事は登録をしなければいけないとされています。それぞれの工事についてみていきます。

電気工事

電気工事の登録が必要な工事を、未登録の会社(事業主)で行った経験は、実務経験として認められません。

解体工事

建設業許可(土木工事業・建設工事業・解体工事業)の許可か、解体工事登録のいずれかがされていない会社(事業主)で行った経験は、実務経験として認められません。

 

今回は、実務経験が認められないケースについて解説しました。実際には、工事の経験があっても、証明できなければ専任技術者の要件を満たすことができません。場合によっては資格や登録が前提となる場合もあるので注意してください。

Open post

非常勤役員での役員経験で経管になれる?

経営業務管理責任者は、常勤でなければいけませんが、非常勤の役員経験で経営業務管理責任者になることができるのでしょうか?ご家族を非常勤役員とされている方も多いと思いますので、「経営業務管理責任者に非常勤役員を含むこができれば…」という方も多いのではないでしょうか。

今回は、愛知県で実際の申請で証明するものも踏まえて解説していきたいと思います。

 

常勤役員と非常勤役員の違い

まずは、常勤役員と非常勤役員について整理していきます。

  常勤 非常勤
定期的な出勤 あり なし
登記 記載あり(※) 記載あり(※)
建設業許可申請(役員一覧) 記載あり 記載あり
社会保険加入 加入する 条件次第で加入する

(※)常勤・非常勤について区別はない。

このように、社会保険の加入や、建設業許可の申請書類で違いはありますが、外部からは、常勤・非常勤かわかりにくいです。

 

非常勤役員は経管になれる?

前述の通り、対外的には、非常勤役員かどうかを判断することは難しいです。ただし、非常勤役員の場合、経営業務管理責任者の要件である「建設業に関し、5年以上の経営業務の管理」を行っていた実際の期間が算出できません。そのため、愛知県では原則認められていません。5年間のうち、実際にどれだけの割合で関与していたかを証明できないからです。(他の都道府県では認められることもあるようです)

また、経営業務管理責任者は常勤であることが求められるので、非常勤役員のままでは経営業務管理責任者になることはできません。愛知県では、常勤性の証明を会社名が記載された健康保険証で判断するので、基本的に社会保険に加入していない非常勤役員は常勤性の証明をすることはできません。

 

常勤・非常勤ってバレる?

会社の謄本上では、常勤・非常勤の記載はされないため、バレないんじゃないか…と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、他の提出書類等から非常勤であることはバレます!(そもそも虚偽申告は、取消の対象となるのでNGです!)バレるケース2つご紹介していきます。

健康保険証でバレる

経営業務管理責任者になるためには、常勤役員になる必要があります。いままで非常勤役員だった方が常勤役員となる場合、「社会保険加入」をする場合がほとんどです。常勤役員であるかどうかは、社会保険証(写し)で証明します。

健康保険証には社会保険の資格取得年月日(=社会保険加入日)が記載されてしまうので、今まで社会保険に加入をしていなかった→非常勤役員と判断されてしまいます…

以前の建設業許可申請書でバレる

建設業許可申請書には、「役員等の一覧表」という様式があります。常勤か非常勤についても記載を行うので、この申請書から過去、非常勤役員であったことはわかってしまいます…。

「役員の一覧表」は下記の書類になります。建設業許可申請書の副本にもあるかと思いますので、確認してみてください。

 

今回は、非常勤役員での役員経験で経営業務責任者になることができるかについて解説しました。

申請する行政庁によって判断が異なる場合がありますので、非常勤役員の経験をもって経営業務管理責任者としたい場合は、申請前に相談をしていただけますと幸いです。

Open post

事業年度終了届(決算変更届)を提出しなかったらどうなる?

建設業許可を取得した事業者は、毎年、事業年度終了届(決算変更届)を提出しなければいけません。提出は、建設業許可業者の義務となっていますが、提出を忘れてしまったり、そもそも提出の義務について知らなかった方もいらっしゃいます。

そこで、今回は、事業年度終了届を提出しないとどうなってしまうのか、お伝えしていきたいと思います。

 

事業年度終了届(決算変更届)の提出義務

そもそも、事業年度終了届(決算変更届)とは、決算終了後、4か月以内に事業者が財務内容や実施した工事の内容を改めて報告するものです。税理士が作成した貸借対照表や損益計算書、実際の工事内容を元に作成して、許可行政庁(建設業許可を出した役所)に提出します。

「決算終了後、4か月以内」というと、余裕がありそうですが、税務署への決算報告時期を考えるとそんなに余裕はありません。

例えば、3月末決算の会社の場合は、このようなスケジュールになります。

決算終了後の2か月は税務の申告を行う関係上、実質、事業年度を作成できるのは、決算から2か月以後になります。そのため、事業年度終了届作成期間は、約2ヶ月となり、油断していると期限を過ぎてしまう可能性もあります。

 

提出しないとどうなる?

事業年度終了届(決算変更届)を提出しないと、下記の手続きができません。

(1)5年毎の更新手続きができない
(2)業種追加の手続きができない
(3)経営事項審査が受けられない

特に、(1)は、建設業許可業者にとっては大きな問題です。更新の手続きをスムーズに行うためにも、決算申告の後には、事業年度終了届(決算変更届)の提出を忘れずに対応いただければと思います。実は、遅れた分をまとめて提出することもできますが、事業年度終了届(決算変更届)作成には時間が掛かるため、更新手続きギリギリの場合は、更新手続きが間に合わない可能性もあります。(県によっては、「始末書」等が別途必要になることもあるようです…)更新手続きが間に合わなければ、再度新規で建設業許可を取得しなおすことになり、許可がない空白期間が3ヶ月程できてしまうので、受注に直結します。

(3)の経営事項審査については、そもそも事業年度終了届(決算変更届)を提出していないと、経営事項審査の受付をしてもらえません。早く経審を受けたい場合は、決算確定~事業年度終了届作成までスムーズに行えるように事前に準備しておくと良いと思います。

 

提出しない場合は罰則規定も!?

事業年度終了届(決算変更届)を提出しない場合は、建設業法第50条により「6か月以内の懲役、又は100万円以下の罰金に処す」と厳しい罰則規定が定められています。実際には、遅れてすぐ罰則を科されることは少ないかもしれません。遅れて提出しても受付してもらえます。

愛知県の場合、遅れて提出した場合は、窓口や電話で担当者から注意を受けるとともに、事業年度終了届の表紙に「事業年度終了届は決算終了後4か月以内に提出してください」というスタンプが押されます。(ちょっとかっこ悪いですよね…)

また、事業年度終了届は、役所で閲覧請求することで誰でも見ることができるので、取引先が事業年度終了届の提出ができていない会社であると知られてしまう可能性はあります。法令順守という観点からもマイナスイメージを持たれてしまうことにつながりかねないので、期日内の提出がベストです!

 

今回は、事業年度終了届(決算届)の提出についてでした。事業年度終了届の提出を軽視されている社長様も多いですが、許可更新の時に慌てて5年分作成は本当に大変です…。決算後は、税務署への申告とあわせて事業年度終了届の提出も忘れずにお願いします。

もちろん弊社でも代行可能ですので、お気軽にご相談ください。

 

Open post

技術職員・技術者・技能者って何が違う?

経営事項審査において、雇用している技術者については、従来、国家試験などで技術力(Z点)が評価されていましたが、2021年4月の経審改正により、大きく考え方が変わりました。

今後は、技術力の評価(Z点)での、「工事種類別技術職員数」に加え、技術職員・技術者が継続的に技術向上の取り組み(継続教育)や、技能者のCCUS能力評価基準でレベルアップがW点として評価されるようになります。

今回は、評価の対象者となる、技術職員・技術者・技能者について整理していきたいと思います。それぞれ、対象者が異なるため、ご注意ください。

 

技術職員・技術者・技能者とは?

技術職員・技術者・技能者の判断方法(定義)について解説します。それぞれ対象者が異なるため、注意して判断してください。

 

技術職員とは

経営事項審査を受ける業種について、所定の資格や実務経験がある方が「技術職員」となり、技術職員名簿の記載対象になります。従来通り、Z点として加算されます。1人について、2業種まで申請可能です。

※令和3年4月からは、一級技士補(一級の一次合格者)も対象となりました。

更に技能職員は、継続教育制度としてCPD(Continuing Professional Development)認定団体に取得を認定されたCPD単位取得数が、W点として加点されます。

 

技術者とは

建設業許可において、専任技術者になることができる資格や実務経験がある方が「技術者」に該当します。また、令和3年4月からは、二級技士補(2級の一次合格者)も技術者に含まれることになりました。

技術職員は、経営事項審査を受ける業種のみが対象であるのに対し、技術者は、経営事項審査を受けない業種を持っている方も対象です。

また、技術職員と同様に、技術者が取得したCPD単位取得数がW点として加算されます。

 

技能者とは

施工体系台帳の作業員名簿に記載されている、実際に現場で作業を行う方が「技術者」です。施工管理のみに従事している方は、「技術者」には含まれませんのでご注意ください。

建設キャリアアップシステムに登録されている技能者の技能レベルが向上した場合もW点として加算されます。

 

定義だけでは判断が難しいと思いますので、下記図・表で整理してみました。技術職員・技術者・技能者すべてに該当する場合がある点がポイントです。(実際の申請書には、重複しないように、技術職員>技術者>技能者 の優先順位で記載します。)

 

   

経審を受ける業種の資格・実務経験がある

専任技術者になれる資格・実務経験がある or
2級の技士補

現場作業あり
(作業員名簿に記載あり)

技術者 & 技能職員 & 技能者
技術者 & 技術職員

×
(施工管理のみ)

技術者 & 技能者 ×
技術者 ×

×
(施工管理のみ)

技能者 × ×

 

令和3年4月からの改正により、資格の取得だけではなく、継続的な技能レベル向上について評価されるようになりました。さらに、CCUS(建設キャリアアップ)の技能レベルについても加点されることから、CCUS導入が加速していくかもしれません。経審の評定対策としても改めて、技術職員・技術者・技能者の確認をしてみてください。思わぬ加点があるかもしれません!

 


(参考)一財)建設業復興基金 建設・設備施工管理CPD制度

 

Open post

建設業許可を取得したら…

建設業許可を無事に取得できた方へ、

これからは、許可業者としてより大きな工事を受注できるようになり、取引先からの信用度も高くなることだと思います。

ただし、許可を取得したら終わり!ではないのでご注意ください。許可業者になるとしなければいけないことが発生します。

新規で許可を取得された方、ぜひご確認ください。

 

許可業者がしなくてはいけないこと

 

1.標識の設置

建設業許可業者は、営業所と、建設業現場の見やすい位置に標識を掲示しなければいけません。

標識?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、建設現場でもよく見る、「建設業の許可票」です。営業所、建設現場とも、下請業者にも設置義務が必要になります。(建設業許可を取得すると、看板業者からの営業もあるようですね…)

なお、現場に標識を掲げる際には、主任技術者(工事現場に必ず配置しなければいけない技術者)を記載する必要もあります。

 

2.決算後の事業年度終了届

建設業許可を取得後、決算日から4か月以内に事業年度終了届(決算終了届)を提出しなければいけません。許可申請時に作成した「工事経歴書」をはじめ、工事施工金額や財務諸表を作成し、許可行政庁に提出をします。事業年度終了届が未提出のままでは、更新申請を行うことができません。

また、このタイミングで、下記の変更がある場合には、届を提出します。
・従業員の人数に変更があった場合
・定款の変更があった場合
・健康保険の加入状況に変更があった場合

 

3.変更届の提出

建設業許可を取得後に、申請した内容から変更が発生した場合は、変更手続きをする必要があります。建設業許可の場合、更新手続きの際に一緒に変更することはできません。変更届を提出してから、更新手続きが可能となりますので、忘れずに手続きをしましょう。

例えば、このような場合に変更の手続きが必要です。
・新たに役員が就任した場合
・役員が変更(退任)になった場合
・会社名を変更した、住所が変更になった場合
・営業所を新しく設置した、廃止した場合
・出資額が変更になった場合
・経営管理責任者、専任技術者を変更した場合

 

4.更新手続き

建設業許可は5年毎に更新の手続きが必要になります。更新手続きは、許可有効期限の90日前から30日前までの間に手続きをしなければいけません。受付日は、建設業許可を取得した際に送られてくる、通知書にも記載がありますので、確認をしてみてください。

許可の有効期限が切れてしまうと、無許可となってしまい、再度建設業許可を取得しなければいけません。

 

今回は、建設業許可申請取得後に必要となることについてでした。事業年度終了届や変更届の提出を怠っていると、許可更新手続き時に慌てて書類作成…なんてこともあります。

建設業許可を維持していくためにも必要なことですので、この機会に是非対応をお願いします。

建設業許可票についてはこちらの記事でも解説しています。
建設業許可取得後の標識(許可票)について
 

Posts navigation

1 2 3 4 10 11 12