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  • 建設現場での日払い給与には2パターンあります。

    単なる日払いと、日雇いは異なるものです。

     

    建設業の現場では、単発の「日払い」で給与を払って仕事をお願いするケースがあります。とにかく忙しいので、雑務でも良いから手伝ってほしい。その日に現金で払うから頼む!というような場合です。

     

    払う相手が法人や個人事業者であれば、仕事をしてもらったら代金を払うで終わりですが、単なる日払い作業者へ払う場合は、源泉徴収と相手の特定の2つの事務処理が求められます。

     

    ちなみに、日払いといっても2パターンあります。パターン①雇用を継続していて単に払い方が月給ではなく日給のケースです。もう一つは、パターン②雇用継続してなく、純粋にその日限りの仕事(いわゆる日雇い)で仕事が終わったら即日給与を払うケースです。

     

    パターン 給与の払い方 源泉徴収税額表の種類 扶養控除等申告書の提出 使用する欄
    月ごとに払う 月額表 あり 甲欄
    半月ごとに払う 無し 乙欄
    週ごとに払う 日額表 あり 甲欄
    毎日支払うが、日雇いではない 無し 乙欄
    日雇いへの賃金 日額表 (提出不要) 丙欄

     

    現実に目にすることのある支払いパターンとしては、上記A~Eの5つのいずれかだと思われます。税務では単に毎日払うことと、日雇いへのその日払いの給与では、同じ日ごとに払う場合でも源泉徴収方法が異なります。最近では、週払いや日払いも可能とアピールすることで、求人募集の効果を上げる会社もたくさんあります。

     

    外国人を雇用するケースでは、そもそも母国では給与の日払いがむしろ当たり前ということも珍しくなく、給与を1日でも早く受け取れることの募集効果は想像以上に大きいと耳にすることが増えました。上記のC・Dを適用している建設会社もありますが、日雇い(E)とは取り扱いが異なるわけです。丙欄であるEの場合は、日額9300円未満であれば源泉徴収はゼロとなります。

     

     

    どんな支払い形態をとっても問題はありませんが、源泉徴収額の算定時に上図の使用する欄(甲乙丙)を正しく使うことが求められます。ちなみに日雇いの税務上の定義ですが、2ヶ月以内の雇用契約期間の者で、1日または時間単位で給与が計算される者です。そのため、2ヶ月以内の雇用契約であれば、いわゆる夏休みだけの学生バイトでも日雇いと同様の徴収をすることになります。

     

    さらに、建設業では8ヶ月の特例があります。

     

    前述のとおり、原則は2ヶ月以内の雇用かどうかで源泉徴収の方法が異なる訳ですが、8ヶ月以内の雇用についても丙欄で徴収できる特例が設けられています。例えば、6ヶ月の工事期間で終了する建設現場があって、そこに日雇いで給与をもらう者については、日額表の丙欄で徴収することが可能です。

    建設労務者に支払う給与に対する源泉所得税の取扱いに関する要望について

    という、下記の特例が用意されているためです。

     

    1 甲欄を適用する者
    専ら建設業に雇用されその収入によって年間の生計を維持する者とし、具体的判定は次の各号のいづれかによる

    (1) 同一事業主に継続して雇用されることを常態とする次に掲げる者
    イ 基幹要員
    職長、工長、班長、世話役、組頭、帳付等その名称の如何にかかわらず、作業のための段取りをし、労務者を直接指揮監督する者
    ロ 基幹要員に準ずる者
    (イ) 技術員、事務員、タイピスト、炊事婦、警備員等で作業所において雇用される者
    (ロ) 乗用車、トラックおよび特殊自動車又は重建設機械等の運転、操作ならびにその点検調整の業務に従事する者
    (ハ)

    (1)主として、職別工事業者に専属する技能労務者
    (2)同一事業主に雇用される期間が継続して8ヶ月を超えて予定される者
    (3)同一事業主に継続して1年を超えて雇用された者


    2 丙欄を適用する者
    前項各号に該当する以外の者

     

    昭和41年という非常に古い解釈通達ですが、適用は現在も可能です。建設業は工事単位で人を募集する側面が強く、期間雇用で雇用が継続されない、いわゆる出稼ぎの人が多かった時代の名残ともいえます。

     

    源泉徴収さえすれば良いというわけではない

    源泉徴収を適正に実施して、それを税務署に収めることはもちろんですが、会社が支払いをするにあたっては、「相手の特定」できることは重要です。日雇いで払う場合であろうがなかろうが、支払い先の氏名・連絡先(電話番号や住所等)は特定できるようにしましょう。具体的には領収書(受領書)に直筆の記載を徹底させることを推奨します。

     

    特定の住所がない、というケースもありますが、その際でも住民票のある所在地や現在の宿泊地でも良いので、「架空の人」ではないという証拠を税務上はできる限り残しておきたいところです。現金払いの経費は、本当にその支払いがあったかを問われるケースも多いためです。受領書を残しておくことを推奨します。

     

     

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