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確定申告のお尋ねが税務署から届いた場合
2020.01.07
お尋ねの通知が税務署長の名で届く
確定申告が期限までにされていない場合、税務署より所得税(復興特別所得税)の確定申告についてのお尋ね という書類が突然届くことがあります。
3月は現場も忙しかったので申告期限に間に合わなかったこともあって、そのまま放置しているということもあるでしょうし、新たに脱サラして一人親方になった方などは確定申告をした経験がそもそもないため、申告するのはもっと儲かってからでも良いのではないか?と安易に考えて申告をしなかったというケースも見受けられます。
失礼ながら、建設・建築業で独立される方は、仕事には非常に真面目でこだわりもある一方で事務処理は後回しになってしまう傾向も正直あります・・・。
令和●年〇月△日
(住所)
(納税者の氏名) ●●税務署長所得税(復興特別所得税)の確定申告についてのお尋ね税務行政につきましては、日頃からご協力いただきありがとうございます。
あなたの令和●年分の所得税(復興特別所得税)の確定申告はお済みでしょうか。下記の事項について、お手元の書類をご確認いただき、確定申告が必要である場合には、同封の確定申告書に必要な事項を記載のうえ、令和●年〇月×日までにご提出をお願いします。
なお、ご不明な点等がある場合には、ご面倒ですが担当者までご連絡くださいますようお願いいたします。
<確認していただく事項>
令和△年事業所得について・・・・・・・・・
この文書による行政指導の責任者は 税務署長です。
個人課税第●部門
担当者 ×××
電話 ××-×××-××××(内線 )上記のような書類が茶封筒に入って届きます。
税務署からお尋ねが届くと「あのことか・・・」といった自覚が通常はあるため、なおさらキツイ指導や罰則があるのではと思い込んでしまう方もいるようです。税務署長の名で送られてくるのでドキドキするのも仕方ないかもしれません。
ただし、こういったお尋ねは、いわゆる行政指導と呼ばれるもので、税務調査というわけではありません。
行政指導と税務調査の違い
国税庁から 「調査手続きの実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)」が公表されており、そのなかに「調査と行政指導の区分の明示」の説明がなされています。
納税義務者等に対し調査又は行政指導に当たる行為を行う際は、対面、電話、書面等の態様を問わず、いずれの事務として行うかを明示した上で、それぞれの行為を法令等に基づき適正に行う。
(注)
1 調査とは、国税(法第74条の2から法第74条の6までに掲げる税目に限る。)に関する法律の規定に基づき、特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的その他国税に関する法律に基づく処分を行う目的で当該職員が行う一連の行為(証拠資料の収集、要件事実の認定、法令の解釈適用など)をいうことに留意する(「手続通達」(平成24年9月12日付課総5-9ほか9課共同「国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達」(法令解釈通達)をいう。以下同じ。)1-1)。
2 当該職員が行う行為であって、特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為に至らないものは、調査には該当しないことに留意する(手続通達1-2)。つまり、納税者の自主的な申告を求める行政指導は、税務調査ではないということです。税務調査は誤り、無申告の金額を確定する行為であるのに対し行政指導は、「たぶん申告してないでしょ?」または、「申告はしているけど、たぶん、ここが間違っているではないか?自主的に修正してね。」という自主的な申告を促すものです。そのため、税務調査と同じ扱いではありません。
税務調査で修正を指摘され、追加納税を行う場合は過少申告加算税が課されます。行政指導の場合はこの過少申告加算税は課されません。また、無申告であった場合の無申告加算税も行政指導の場合は5%で済みます。税務調査で無申告による所得申告漏れが指摘された場合は、最低でも10%が課されます。
繰り返しますが、行政指導は税務調査ではありません。だからといって適当な申告をとりあえずすると、結果的に税務調査に移行することもありえます。無申告であれ、過少申告であれ、お尋ねが届くということは何らかの課税漏れを把握しているということですので、アバウトな対応は避けた方が良いでしょう。
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