建設業の経営管理責任者要件が2020年10月より緩和が決定

改正建設業法の施行は2020年10月1日

 

建設業法(建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律)が2020年10月1日より改正されます。正確には、2019年6月12日に改正法が成立し、実際に法律が適用される施行日が2020年10月1日となります。

 

今回の改正で、許可申請に大きな変更点があります。許可に必須の経営管理責任者の要件が大幅に緩和される予定です。

 

改正が決定しているのに、予定と敢えて書いているのは建設業法の表現がやや曖昧だからです。今までは、 建設業経営に関し過去5年以上の経験者が常勤の役員(通常は取締役)に就任していないと許可が得られないのが原則でしたが、下記のように改正されます。

 

(2020年9月30日まで)
第7条(許可の基準)
一 法人である場合においてはその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。以下同じ。)のうち常勤であるものの一人が、個人である場合においてはその者又はその支配人のうち一人が次のいずれかに該当する者であること。
イ 許可を受けようとする建設業に関し五年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
ロ 国土交通大臣がイに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者



(略)

 

【2020年10月1日より】

第7条(許可の基準)
一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。

 

事業者全体として適切な経営管理責任体制を有することを求めているわけで、就任年数や経験については明記されてません。取締役や取締役会にて委任された執行役員、支店長などの経験者でなくとも経営管理責任者になり得るわけです。

実際の「国土交通省令で定める基準」が具体的に何なのかは、国土交通省から公表されるのを待つしかありませんが、建設業に関わる会社を増やすためにも国として相応の緩和が必要と判断したのでしょう。実際、許可を受けるうえで経営管理責任者の要件をクリアするのがもっとも大変で断念せざるを得ないケースも多く見受けられました。

 

現在の経営管理責任者の要件をチェック

 

改正前(現在)の、経営管理責任者の要件は下記のとおりです。

 

経験役職 経験年数等(イまたはロ)
法人の場合はその役員(常勤であることは必須)。

※役員とは、業務を執行する社員(いわゆる合名会社等での役員を社員と呼びます)、取締役、執行役又はこれらに準ずる者

(イ)許可を受けようとする業種に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者 (ロ )左記イと同等以上の能力を有すると認められた者
① 許可を受けようとする業種以外の建設業に関し、6年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
② 許可を受けようとする業種に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって5年以上経営業務を総合的に管理した経験又は6年以上補佐した経験を有する者
③ 許可を受けようとする業種以外の建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって6年以上経営業務を総合的に管理した経験を有する者
④ その他国土交通大臣がイと同等以上の能力を有すると認める者

 

執行役は、一般的な株式会社では99%出てこない役員(指名委員会等設置会社でしか任命はない)なので、実務上は気にしなくて良いでしょう。通常は、建設業許可を受けていた会社での取締役経験があるのが原則だと考えて良いでしょう。

 

ただし、それでは経営管理責任者の成り手が限定されてしまうので、準ずる者として、いわゆる執行役員を対象としています。

 

執行役員は、謄本(履歴事項証明書)に記載される役員とは異なり、会社法における役員(取締役・監査役)ではありません。その会社で取締役会の決定の元に会社の業務(経営)執行を委任された者です。委任された際の取締役会議事録などで証明します。一般の中小企業においてはあまり目にしない役職ではあります(弊社でも執行役員の事例はかなり限定的です。)

 

また、「補佐した経験を有する者」としては、役員でなくとも営業所の支店長などの経験がある者です。経営管理責任者の要件を現在でもある一定範囲までは緩和させているわけです。

 

とはいえ、5年~6年という経験年数をクリアするのは意外と大変で、ここについても大きく緩和していく姿勢を示したのが2020年10月からの改正となるわけです。大幅な年数の緩和や一定の資格試験・講習などを経ることで責任者の要件を満たせるようにするのでは、と推測しています。

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