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機械器具設置工事に該当する工事とは?
2022.04.19
建設業許可の業種のなかでも、判断が難しい工事のひとつに「機械器具設置工事」があります。名称だけで考えると、機械を設置する場合の許可と考えがちですが、すべての機械を設置する工事が機械器具設置工事に該当するとは限りません。
機械器具設置工事の考え方
機械器具設置工事とは、国土交通省の「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(平成29年10日改正)には次のように定義されています。
機械器具の組立て等により、工作物を建設し、または工作物に機械器具を取り付ける工事機械器具設置工事に該当するためには、現場で機械器具の組立てや取付という作業が必要になります。単に、機械器具を設置場所まで搬入し、現場に置くだけの場合は、機械器具設置工事には該当しないということになります。重機を使って機械を運ぶ場合(重量物の楊重運搬配置作業)は、機械器具設置工事ではなく、「とび・土工・コンクリート工事」に該当するからです。また、機械を設置した後、アンカー固定する場合も、「とび・土工・コンクリート工事」に該当します。
また、他の専門工事と重複するような場合については、重複するそれぞれの専門工事へ区分されることになっています。例えば、下記の工事はそれぞれの専門工事として扱われます。
・発電施設の設置工事→電気工事に該当
・冷暖房設備の設置工事→管工事に該当機械器具設置工事は、他の専門的な工事に該当しない場合で、かつ、現場で組立て等が必要となる機械の設置工事が該当するということになります。まずは、他の工事の業種に該当しないかを検討し、該当しない場合のみ、機械器具設置工事となります。
機械器具設置工事に該当するケース
・他の工事業種(28業種)に該当しない工事
・複合的な機械器具の設置であること
・現場で、機械を組立て、完成させること機械器具設置工事の証明は難しい
前述の通り、機械器具設置工事に該当するかどうかは、他の工事の業種に該当しない、かつ、機械器具の組立等の工事が必要となる工事です。そのため、役所でも個別に判断を行うケースが多く、実務経験での機械器具設置の専任技術者証明は難易度が高くなります。
実務証明書に記載した工事名だけでは判断が難しいので、実際の施工台帳や作業内容がわかる資料等、通常の実務経験証明時には不要な資料の提出が認められるケースもあります。そのため、機械器具設置工事の専任技術者は、資格での証明がスムーズです。
機械器具設置工事の例
具体的に、機械器具設置工事に該当する工事と、該当しない工事の例を確認してみます。
機械器具設置工事に該当する工事
・プラント設置工事
・運搬機器設置工事(エレベーター・エスカレーターなどの昇降機設置工事)
・内燃力発電設備工事(ガスタービン)
・集塵機器設置工事
・ダム用仮設備工事
・遊技施設設置工事(メリーゴーランド)
・舞台装置設置工事
・サイロ設置工事
・立体駐車設備工事(機械式)
・給排気機器設置工事(トンネル、地下道等の給排気用に設置される機械器具に関する工事)機械器具設置工事に該当しない工事
・既製機械器具の搬入・運搬(とび・土工・コンクリート工事に該当)
・既製機械器具のアンカー固定(とび・土工・コンクリート工事に該当)
・建物の給排気機器設置工事(管工事に該当)
・自動ドア取付工事(建具工事に該当)
・ビル式の立体駐車場(建築一式工事に該当)機械器具工事は、判断が難しく、他の専門工事との関連性もあります。実際には、機械器具設置工事の許可を取得しているケースでは、「とび・土工・コンクリート工事」や「電気工事」もあわせて取得するケースも多いようです。
(参考)
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