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【令和4年3月末現況】建設業許可業者が増加しています
2022.05.26
毎年度、国土交通省から全国の建設業許可業者数の調査結果が公表されます。令和3年度末時点での調査結果が発表されましたので、確認していきたいと思います。
許可業者数は4年連続増加傾向
許可業者数は、令和4年3月末時点で475,293業者であり、若干ではありますが前年増(0.3%増)となりました。4年連続での増加です。
建設業許可業者が最も多かった平成12年3月時点と比較すると、12,687業者の減少(▲20.9%減)にはなりますが、近年コンプライアンス遵守の影響等もあり、許可を取得・維持する傾向が高いように感じます。さらに、昨年度からの材料費高騰によって、従来であれば許可の必要ない規模の請負工事であっても、許可を取らざるを得ない状況となる可能性も出てきました。建設業許可が必要となる工事請負代金は500万円未満(消費税を含む)ですが、この金額には、材料費等も含めることになっているためです。
引用:令和4年5月9日 国土交通省 建設業許可業者数調査の結果について―建設業許可業者の現況(令和4年3月末時点)-
また、令和2年10月から始まった、建設業許可の事業継承の認可件数は、1,127件と増加傾向にあります。事業継承制度は、始まったばかりの制度ではありますが、個人事業から法人成りをした場合や、相続・合併時等に利用できる制度であり、今後も増加していくと予想できます。事業継承制度を利用することで、継承元の許可を継承先へ空白期間(建設業許可のない期間)なしで行えることから、検討されている方も多いのではないでしょうか。
調査結果の概要
調査結果について、いくつかピックアップしてご紹介していきます。
都道府県別建設業許可業者数
都道府県別の許可業者数も公開されており、愛知県は、(1)東京都、(2)大阪府、(3)神奈川県に次ぎ、許可業者数となっています(27,115業者)
愛知県の許可業者数に関しては、ピーク時(平成12年3月末時点)と比べると▲6.5%減となっていますが、他都道府県と比較すると、それほど大きな減少ではありません。全国的には、▲20%~▲30%減となっている都道府県もあり、特に地方での許可業者の減少が見受けられます。
業種別許可業者
令和4年3月末において、許可を取得している業者数が多い上位3業種は、次の通りです。
(1)とび・土工工事業(全体の37%)
(2)建設工事業(全体の37.2%)
(3)土木工事業(全体の27.6%)(1)とび・土工工事業については、建設業許可の要件である、「専任技術者」を満たす資格数が多く、該当する工事範囲も多岐にわたることから、取得業者が多いのではないでしょうか。
許可業種29業種のうち、25業種で取得業者は増加しており、特に、「とび・土工工事業」「鋼構造物工事業」「石工事業」の3業種の取得業者は増加率が高くなっています。
兼業業者数
兼業業者は、全体の29%と、前年よりも増加の傾向にあります。大臣許可業者のみで見ると、兼業率は4分の3を占めており、非常に高い結果であるといえます。特定建設業許可業者も兼業業者が多くなっていることから、比較的規模の大きい業者では兼業が多いということが言えます。全体の兼業率は、最も建設業許可業さyが多かった平成12年3月末時点(全体の21%)と比較しても上昇しています。
兼業については、建設会社が兼業するケースが増えているというよりも、商社や製造業など別業種を主に営む会社が許可を取得するケースが増えているのではないかと考えています。今後も他業主の建設業許可取得は増えていくのではないでしょうか。
今回は、令和4年3月末時点の国土交通相報道資料についてでした。コンプライアンス遵守等、近年の傾向を踏まえると建設業許可業者は令和4年度も引き続き増加していくと考えられます。
(参考)
国土交通省 報道資料:建設業許可業者がピーク時(H12.3)以降初めて4年連続で増加~令和4年3月末現在の建設業許可業者の現況~
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