社員に手当を付与したら199万円の助成金~人材確保等助成金(建設分野)

人材確保等助成金(建設分野)とは?

 

今回ご紹介する人材確保等助成金(建設分野)は、合計で最大1,995,000円の受給額になる助成金です。

社員の労働環境を改善(手当の付与等)し、雇用の維持(=退職者を減らす)を真剣に考えている会社向けの助成金です。建設業以外の業種でも受給対象になりますが、建設業の会社には助成金が上乗せ加算されるコースが設定されています。35歳未満又は女性を雇用した割合が目標数値に達成すると上乗せされます。

計画書を提出→制度の導入・実施

 

さて、どのように進めていけば、この助成金が受給できるかを解説してきましょう。

まず最初に労働局へ『雇用管理制度整備計画』を提出し、認定を受けます。認定を受けてから制度の実施の順番です。

実施する制度は、下記の4つの中からすべての正社員に適用となるように選択します。いずれも新しく制度として導入するものに限り、既に実施している場合は対象外です。実施のしやすさから③の健康づくり制度を導入するケースが多いです。

計画期間内に選択・認定された制度を就業規則に記載、周知したのち、手当の支給や検診の実施などを行います。

計画期間が終了した1年間が勝負

計画期間が無事終了したあとが勝負の1年となります(下記 全体のイメージ図の表②の期間)。

 

◆全体のイメージ図 

例)R3.11/15に計画書を提出(計画期間を3ヶ月とします)

イメージ図の②の期間で(A)退職者が極力でないように、かつ、(B)35歳未満の若者又は女性の採用 の両方を行う、と建設業の上乗せ加算の可能性が高まります。具体的には次になります。A・Bともに満たす必要があります。

 

(A).退職者の割合を目標値以上に低下させること(一般の業種でも同じ要件)

表②の期間の退職者の割合(=離職率)を表①の期間の離職率より、一定数以下に低下させることを目指します。


(B).若年者又は女性の採用率及び会社全体の人数を向上させること(建設業だけの要件

建設業だけの加算条件です。目標達成助成1回目になります。

・35歳未満のいわゆる若年者や、女性の正社員としての採用割合(=入職率)が一定数以上(目安としては18人以下の会社では、1人以上の若年か女性の採用)

・イメージ図②の期間の若年及び女性の採用人数>表①の期間の若年及び女性の採用人数

 

採用が上手くいって社員数が増えていても、退職者が多いと助成金の上乗せ部分は支給されないので注意が必要です。この退職者には会社都合で退職してもらった社員だけでなく、自己都合で退職した社員も含まれます。ここが上乗せ加算の難しいところです。

 

建設業の助成金申請は2度目のチャンスがある

 

1回目の目標達成助成57万円が受給できた場合、さらに2回目の目標達成の助成金85万5千円を受けられる可能性があります。評価期間も2年と長くなり、2年連続で雇用の維持・採用継続するのは大変ですが、該当すると85万5千の助成金が受給できる。この受給ができる イコール 退職者が少ないということなので社員満足度が高い会社ともいえるでしょう。制度を実施したことで働く環境を改善し、是非2回目も受給したいところです。

 

◆2回目の目標達成 

・若年及び女性の入職率が一定数以上(1回目と同じ)

・イメージ図③の期間の若年及び女性の採用人数 >イメージ図①の期間の若年及び女性の採用人数

・③の期間の離職率が②の期間の離職率を上回っていないこと。つまり離職率が改善している状況を継続。

 

実際の助成金申請にあたって

 

大まかな流れと達成する目標はつかんで頂けたと思います。

上記以外にも、雇用管理責任者の選任や法定の定期健康診断の実施を始めとする必要要件がありますのでご注意ください。詳細は厚生労働省のホームページ等でも確認できます。

建設業は助成金の財源となる雇用保険料が一般業種よりも高く設定されているため、金額の加算や対象コースも多く手厚くなっています。

ただし、注意したいのは助成金申請時には適切な労務管理(社会保険等の適正加入や正しい給与計算等)が必ず求められることです。端的にいえば残業手当の適切な支給・残業時間を示す勤怠データの管理ができない会社ですと受給は難しいです。助成金は法令遵守の会社にしか支給されません。言い換えると、正しく労務管理を行っているとより多くの助成金を受給できる可能性があるということ。適正な労務管理は時代の波として建設業界にも押し寄せてきています。助成金の取り組みを通じていち早く他社との差別化を図り、国からの恩恵も受け取ることを目指しましょう。

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