確定申告の期限が遅れたときの税金には、2パターンある

税務署は怖くない。期限後申告を自主的にしよう

 

個人事業の建設業で無申告のまま、何となく申告を躊躇って放置しているケースは意外とあります。申告をしなかったら、即座に税務署から通知があるわけでもないですし、申告どころか開業届すら提出していないというケースも、普通にあります。

赤字であれば、利益がないので税金も当然発生しません。つまり無申告であっても申告・納税の必要はありませんが、個人事業で赤字ということは イコール 生活ができないレベル ということになるので、現実的に赤字というのは、先ずあり得ないとは思います。儲けに無頓着ですごく低い単価で採算度外視で請け負うということがない限りは、申告する必要のある利益は出ているのが通常だと思われます。

 

特に、多額の工具や原材料の購入の必要がない、一人親方で利益がでないということは、先ずあり得ないでしょう。

 

理由はさておき、申告していないまま放置しているケースで、やっぱり申告しようというときに知っておいてほしいことがいくつかあります。いわゆる期限後申告と呼ばれるものです。

 

期限後申告そのものは良いことではありませんが、怯える必要はありません。税務署は怖い、遅れて申告したら厳しく叱られるかも・・・と思い込んでいる方もいますが、申告内容に明確な誤りがなければ税務署が何かのアクションを起こすことは通常ありません。遅れていても自ら申告しようとする納税者を糾弾するようであれば、それを恐れて誰も期限後申告をしなくなってしまいます。ご安心ください。(税務署は怖いところという思い込みが依然としてあるようですが、そんなことはありません)

 

遅れたことで、次の2つの罰金は請求されますが、それ以上のことが起こることは悪質なケース(売上を他人の口座に振り込ませて、所得を隠すようなケース)を除き、通常は税務調査の段階に入るまでは起きないので、安心して期限後申告を進めましょう。

 

同じ期限後申告でも、税務署からの調査通知の前と後では違う

 

 

現実には期限後申告のペナルティは、2つです。①無申告加算税、②は延滞税の2つの罰金です。ただし、①には2パターンあります。

 

 

期限後申告の種類 無申告加算税の税率
税務署から調査の通知を受ける前に自主的に申告 5%
税務署から調査の通知を受けた後に自主的に申告 10% または15%

 

税務署から「税務調査をしたい」という通知があるまでに自主的に申告した場合は、5%の無申告加算税で済みます。調査の通知を受けた後に慌てて申告をした場合は最低でも10%、計算した税金が50 万円を超える場合は、超えた部分については15%が加算されます。

 

なお、この場合の調査は「実地調査」のことで、実際に税務署員が来訪することです。来訪のない単なる行政指導は調査ではありません。なお、税務署の担当者は、調査又は行政指導を行う際には、具体的な手続に入る前に、いずれに当たるのかを明示することになっていいます。

 

税務署から連絡が来て渋々、期限後申告をした。計算したら所得税が60万円だった場合は、50万円×10%=5万円に、(60万円―50万円)×15%=1万5千円の合計6万5千円の無申告加算税が課されるわけです。

 

ちなみに、加算税と名前のつく税金は、加算税を計算した結果5,000円未満となったときは、免除され、加算税の納税は求められません。少額の申告漏れについて罰則を100%適用するわけではないことも憶えておきましょう。

 

もう一つの罰金は延滞税です。これは借金の利息と同じようなもので、遅れた税金に遅れた日数分の利息がつくというものです。前述の無申告加算税は遅れた日数で税率が変わるということはありませんが、延滞税は法定申告期限から遅れている日数が増えれば、その分増えていきます。

 

延滞税は銀行からの借入利率よりも、ずっと高いです。年々下がってはいるのですが、令和2年においいても年利率2.6%(申告期限から2か月内の納税の場合)、それ以後は年利率8.9%です。例えば、前述のケースで期限後申告とはいえ、申告期限から2か月内に払った場合は、60万円×2.6%×60日(2ヶ月)÷365日≒2,500円の延滞税で済みます。

なお、延滞税は計算した結果、1,000円未満のときは免除されます。遅れていても早めに申告すれば延滞税は結果的にかからないこともあるわけです。

 

建設現場は年度末の3月は特に忙しく、3月15日の確定申告期限に間に合わなかったということもあるでしょうが、遅れても申告はやっておきましょう。税務調査に怯えて無用な罰金を払うより、ずっと良いはずです。

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