給与と外注費の区分

建設業の場合、仕事柄、多くの作業員を使いますが、中には、コスト削減の目的から作業員を「個人事業主」として独立させ、「外注費」として払っている企業もあるようです。しかしながら「給与と外注費」の取り扱いは税務調査でも必ずチェックされる項目ですので、しっかりと理解して区分するようにしましょう。

税務署が外注費の取り扱いに厳しい訳

前述の通り、税務調査では外注費の取り扱いは必ずチェックされますが、税務署が外注費の取り扱いに厳しい理由は主に3つあります。

  • looks_one作業員に給与でなく外注費で払うことで、会社側は消費税の節約につながる

    looks_two外注費として払うことで、会社側は源泉所得税の納付を免れることができる

    looks_3外注費として払うことで、社会保険料を支払う必要がなくなり、資金負担が減る。

以下で詳しく見てみましょう。

理由1.会社側が消費税を節約することができる

通常、給与の支払いには消費税がかかりませんが、外注費の支払いには消費税が発生します。例えば仮に、会社が職人さんに外注費を税込で2万円支払う場合、税込みのため、会社側は消費税の2,000円(10%)を消費税の納税額から差し引くことができることとなり、消費税を節約することができます。

理由2.源泉所得税の納付を免れることができる

給与の場合、通常の従業員同様、会社側は源泉所得税を差し引いて支給し、後日、指定された期日に源泉所得税を納付する義務が発生します。しかしながら外注費の場合は、支払いを受けた側が自ら申告して納付することになりますので、会社側は源泉税の納付をしなくても良いことになり、結果、源泉税の納付を免れることができます。

理由3.社会保険料の負担を免れることができる

社会保険料についても源泉税同様、給与で支払う場合は、会社側が社会保険料を差し引いて支給し、更に社会保険料の会社負担分を加えて支払わなければなりません。しかしながら外注費の場合は、社会保険料の支払い義務がありませんので、社会保険料の本人分と会社負担分の支払いを免れることができます。

以上からもわかるように、作業員の給与を外注費扱いとすると会社側は消費税や源泉税、社会保険料の負担軽減などのメリットを享受することができるために、外注費の取り扱いについては厳しいチェックが入ります。
そして万一、その後の税務調査で作業員の外注費が認められず、給与扱いとなった場合には、過去に遡って、消費税、源泉税、社会保険料の負担が発生するケースもありますので、繰り返しとなりますが外注費の取り扱いについては十分に注意をして下さい。

給与と外注費を判断する5つの基準

では、給与と外注費は一体何で判断すれば良いのか?ということですが、基本的な判断基準としては、

1. 外注先が自ら請負金額を計算しているか
2. 役務の提供にあたり、他人の代替が可能かどうか
3. 役務の提供にあたり、事業者の指揮監督を受けるかどうか
4. 不可抗力等で完成品が滅失した場合、役務の請求を受け取り側ができるかどうか
5. 役務の提供に係る材料や用具はどちらが用意するのか

などとなっていますので、基本的には上記に従って下さい。

とは言うものの、上記は基本的な考え方であって、実際には契約内容や運用形態に応じて実務的・総合的な判断がなされますので、一般の方はあまりご自身で判断されない方が良いようです。

ザイムパートナーズは建設業に関する知見も豊富ですので、心配な方は是非ご相談下さい。